アメリカン・アニマルズ

何をすればこの糞みたいな大学生活に決着をつけられるのかと考えたままもう4年生になってしまった。

今日はアメリカン・アニマルズという映画を観た。オーシャンズ的な感じかと思って観に行ったのに、内容が想像してたのと違って現実的で裏切られてよかった。これはドキュメンタリー映画に近いものだと思う。間にインタビューパートが挟まれるので「帰ってきたヒトラ―」をちょっとだけ思い出した、そんなかんじ。

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主人公のスペンサーは大学生で親との関係も良好、学業も問題なしで裕福な生活を送っている、けど、何か人生に物足りないものを感じている。それを打開するためには何かをしないといけないのはわかっているんだけど、何をしたらいいのかわからない。その解決案として’強盗’が選択されるんだけど、彼には悪友のウォーレンって奴がいて、そいつありきで強盗の計画は進んでいく。

この映画は懺悔としての側面も含まれているみたいで、確かにこれを観た人の中で「今の生活にけりをつけるために強盗をしよう!」となる人はいないと思う。

 

「人生にはスパイスが要る」って劇中で言われるんだけどその通りだと思います。俺も欲しい。

そういうスパイスは規則やルールを破る事で簡単に手に入るけど、年齢を重ねるにつれてそういったものはより大きな代償を伴うようになると思う。昔は夜遅くまで起きているだけでも大冒険みたいなものだったし、知らないことがたくさんあったけど、もうこの年になってしまうと犯罪を犯すことや、命の危険にさらされるみたいな次元の物でないと刺激になりえないような感じがある。

もちろんそれは安易に得られるものであって、実際に行うべきじゃない。別の方向性の刺激を探すべき。実際に襲われた司書の人が「彼らは努力を積み重ねて得るということをしなかった」的なことを言っているんだけどまさにその通りだと思う。ちょっと違う感じもするけど。

今が物足りないのは承認欲求の話も少しかかわってくるんだと思う。家庭環境が良好な家庭は子供が両親から十分な愛情を受けて育っているから、実家にいるときはいい子にしていれば両親が認めてくれる。だけど、この主人公みたいに寮に住み込んでほぼ一人で生活していると自分を認めてくれる存在というのは限られてくると思う。それこそ恋人がその代表だと思うんだけど、俺らみたいなのにはそういうのは無縁だし、(主人公にいたのかは知らん)そうなるとどうしても何かが足りなく感じてしまうのだ。

 

俺にもウォーレンみたいな、四畳半神話大系の小津みたいな、友人がいればこの生活もいくらか変わっていたのかなぁと思うけど、そんなのはないものねだりだし、何より自分じゃ何も変えることのできないポンコツだといってるのと同じだ。その通りなんだけども。でも実際、彼らは行動を起こした人間なんだと俺は思ってしまう。たとえその方向が間違っていたとしても、部屋でマスかいて四年間を過ごすのとどっちが上等な人生なんだろう。7年服役することになったとしても。

 

、、、、、7年か、、、7年服役は普通に嫌だわ。

 

「ある日突然何かが起きて人生を劇的に変えてくれるんじゃないかと思ってた」

「俺らは突飛なことをしようとしているだけで特別な人になった気でいたけど、別に特別でもなんでもなかった」

ってスペンサーとウォーレンは最後の方にインタビューでいうんだけど、僕はこの言葉を本心から受け入れるのにどれくらい時間がかかるんだろう、、、